「競合の広告を探して、効いている構成や訴求を読み解いて、自社向けの台本に起こす」——動画クリエイティブを回している人なら、毎週これを何本分か手でやっているはずです。しかもこの工程、外に出すと1本あたりの単価が跳ね上がります。かといって自分でやれば、リサーチと書き起こしだけで午前中が消えていく。ここを丸ごと仕組みにできたら、と思ったことはないでしょうか。
コンテンツ販売を手がける事業者様は、動画広告分析Pro(DPro)のMCPを使って、この一連を自動で回しています。競合クリエイティブを引いてきて、自社に合いそうかを100点満点で採点し、基準を満たしたものだけ自社向けの台本案まで作って、チャットに届ける。届くのは毎週10本ほど。ご担当者様は「人に依頼したら10万円規模でかかっていた工程」と振り返ります。しかも、この仕組みを組み始めたのは半年前。それまでAIはほとんど使っていなかったといいます。その中身を伺いました。
この事例のキーワードが「MCP」です。むずかしそうに聞こえますが、ざっくり言うと「AIに、外部のツールやデータを”直接つないで”使わせる仕組み」のこと。ここでは「自分のAIに、DProが集めた競合広告のデータをそのまま読ませて、作業まで任せる」イメージだと考えてください。専門知識がなくても、”データをAIにつなぐ”という発想さえ掴めれば大丈夫です。
お話を伺った方
会社名:非公開(コンテンツ販売事業)
お名前・役職:非公開
掲載条件:ご希望により、社名・お名前を伏せた匿名事例として掲載しています
「半年前は、AIをほとんど使っていなかった」
いまでこそ仕組みを自分で組み上げているご担当者様ですが、出発点は決して特別ではありませんでした。
DProの担当者と話したのは半年前。そのときは「AIを全く使っていなかった」といいます。「できますよ」と言われても、「そんなものですか」という反応だった——ご本人の言葉です。そこから半年で、いまは一通りの道具を揃えて自分で仕組みを組むところまで来ました。
裏を返せば、この事例で紹介する仕組みは、AIの専門家が作ったものではありません。困りごとから逆算して、AIに相談しながら形にしていったものです。だからこそ、同じ道筋をたどれる余地があります。
仕組みの中身:抽出 → 採点 → リライト → 通知
DProのMCPで、競合クリエイティブを引いてくる
起点は、DProから競合の動画クリエイティブを引いてくるところです。ここでMCPが効きます。管理画面を開いて目視で探すのではなく、AI側から直接データを取りに行かせる。だから、この先の工程とひと続きにできます。
100点満点で採点し、合格したものだけを通す
面白いのは、その次です。引いてきた競合クリエイティブを、そのまま全部流すのではなく、「自社に合いそうか」を100点満点でスコアリングして、70点以上だけを通すという関門を置いています。
「何を基準に競合とみなすか」は、実はかなり複雑な問題です。ご担当者様は、この設計をAI側から提案してもらったといいます。いくつかの指標に分けて点数化し、合計で何点かを出す——その形にすること自体が、AIからの提案でした。
競合が出てきたら通知が来る、という仕組みは他でも見かけます。ただ、通知が来るだけだと結局は人が全部見ることになる。点数を付けてふるい分ける、この一段が入るかどうかで、届いたあとの負担が変わります。
3つのAIに同じ指示を出して、出てきた3案から選ぶ
基準を満たしたクリエイティブは、台本を書き起こして読み解き、そこから自社向けの台本案を組み立てます。ここでもうひとつ工夫があります。同じ指示を3つの異なるAIモデルに投げて、3案を必ず出させるのです。
「毎回、けっこう違うものが出てくる」とご担当者様。今回はこちらのモデルが良かったが、次はまた別のモデルが良かった——そういうことが普通に起きるといいます。どのモデルが当たるかは事前には読めない。だったら3つ出させて、人が選べばいい。AIの出力が毎回ブレることを、欠点ではなく前提として設計に織り込んでいます。
チャットに、リンクと台本が届く
出来上がったものは、普段使っているチャットツールに自動で通知されます。届くのはクリエイティブのリンクだけではありません。自社向けに書き起こされた台本案まで一緒に届きます。
毎週10本ほど。ご担当者様の仕事は、そこから最終チェックをして、商品固有の部分に手を入れる程度です。「わりといい感じになっているので」——そのあとは編集者に渡し、あらかじめ決めてあるフォーマットで動画にしていきます。
「自分で作ったのと変わらないくらい、成果につながっている」
人に依頼したら10万円規模でかかっていたと思います。そこを自動で回してもらっているので、むしろ自分では手に負えないくらい、どんどん上がってくる。成果も、自分で作っていた頃と変わらないくらい出ています。
コンテンツ販売事業者 ご担当者様
外注していた頃は、依頼を投げてから返ってくるまでに3日ほどかかっていたといいます。それがいまは、毎週まとまった本数が自動で上がってくる。待ち時間が大きく縮んだことが、この仕組みのいちばん大きな変化かもしれません。

※ 本記事の内容はご担当者様の体感によるもので、金額・本数は実測値ではありません。
もう少し具体的に、リサーチから台本づくりまでの流れで見てみます。

つまづきどころは「重み付けを自分で決めよう」としたとき
同じ仕組みを作りたい方向けに、立ち上げのコツをひとつ。
スコアリングを組むとき、「どの指標をどれくらい重視するか」を自分で細かく決めようとすると、そこで止まります。ご担当者様は、そこはあまり作り込まなかったといいます。まず一度走らせて、出てきた広告を見て「これは全然ダメだ」と伝える。するとAI側が「ではこのパラメータを修正しますね」と返してくる。その往復で落ち着かせたのです。
最初から完璧なものは出てこない、という前提で始める。出てきたものにダメ出しをして直していく。この進め方なら、専門知識がなくても形になります。
どこまでを仕組みに任せ、どこを人が握るのか。整理すると次のようになります。

まとめ:MCPの価値は「データを、作業の手前まで運んでくれること」
この事例が示しているのは、MCPの価値が「競合広告を見られること」ではなく、そのデータを、判断や制作のすぐ手前まで自動で運んできてくれることにある、ということです。
引いてくる。採点して絞る。書き直す。チャットに届ける。ここまでが自動で終わっていれば、人がやるのは「選ぶ」と「仕上げる」だけになります。そしてこの仕組みは、半年前までAIを使っていなかった人が、AIに相談しながら組み上げたものです。
見るだけで止めるか、作業の手前まで運ばせるか——ここで、1週間に回せる本数が変わります。
「競合の分析を”見る”で終わらせず、台本づくりの手前まで自動で運びたい」——そう感じた方は、まず自社が毎週どれだけの時間をリサーチと書き起こしに使っているかを数えるところから。動画広告分析Proに相談してみませんか?
