競合のCPAを調べようとしても、数値はどこにも出てきません。CV数や売上は各社の広告アカウントの中にあり、外からは見えないためです。この記事では、自社CPAの判断と競合の出稿の動きの把握が目的の広告運用担当者に向けて、許容CPAでの判断法、成果の代わりに見られる配信期間・出稿本数、CPA悪化時の切り分けを整理します。
競合のCPA・CV数・売上は、ツールを使えば分かるのか?

競合の数値は分かりません。CV数や売上は各社の広告アカウントや計測ツールの中にあるため、外部には公開されていません。
CPAは「広告費÷成果数」で決まります。分母の成果数が見えない以上、どのツールを使っても競合のCPAは外から算出できません。見えるものと見えないものを分けておくと、調べる範囲を決めやすくなります。
【見えないもの】CPA・CV数・売上・反応率は各社の内側にある
外から確認できない情報は、次のとおりです。
- 競合のCV数(応募・購入・資料請求などの件数)
- 競合の売上や受注額
- 競合のCPA(獲得単価)
- クリック率やCVRなどの反応率
動画広告分析Pro(以下DPro)でも、競合のCV・売上・反応率は把握できません。DProは他社の公開広告を集めて分析するツールであり、お使いの広告アカウントにも接続しない仕組みです。
【見えるもの】広告1本ごとの記述的な項目
一方、公開されている広告そのものからは、1本ごとの記述的な情報が取れます。DProが広告1本につき持っている主な項目は、次のとおりです。
- 広告文
- ナレーション全文
- 動画の尺
- 配信期間
- 遷移先のLP
- 推定消化額(推定コスト)
- 再生数
- いいね率
たとえば、DProに登録されている1本は、56秒の縦型動画で配信4日、推定コスト4,440,000円、再生370万、いいね率0.04%でした。ここで分かるのは、短期間に多くの費用が投じられた形跡と、再生された量までです。
推定コストは公開情報からの推定値なので、この広告のCPAは分かりません。数字が示すのは「どれだけ出稿されたか」であり、「どれだけ成果が出たか」ではない、という線引きです。
この記述的な項目は、成果の代わりに競合の動きを読む材料になります。その前に、クリック率やCVR、広告費が外から見られるのかを確認します。
クリック率・CVR・広告費は、外から見られるのか?

クリック率とCVRは、外から見られません。広告費も、公開されるのは一部の広告に限られます。
この2つが見えないのは、CPAの内訳(CPA=CPC÷CVR)にあたる数値が、いずれも広告主の管理画面の中にあるためです。外から手に入る情報は、これらの代わりにはなりません。
【クリック率・CVR】外部からは確認できない
クリック率は広告の表示回数に対するクリックの割合、CVRはクリックに対する成果の割合です。どちらも広告主の配信データと計測データから初めて決まります。
競合の数値を知る手段は、公開情報にはありません。確かめられるのは自社の数値だけなので、競合との比較に時間を使うより、自社の管理画面で数値を追うほうが確実です。
【広告費】無料の公開ライブラリで見られる範囲
GoogleやMetaなど一部の媒体は、出稿中の広告を誰でも調べられる公開ライブラリを用意しています。たとえばMeta広告ライブラリでは、広告が配信中かどうか、出稿の開始日などを確認できます。
広告費が公開されるのは、一部の広告に限られます。一般的な商品・サービスの広告では、競合の広告費は表示されません。見られる範囲は媒体や地域によって異なるため、各媒体の公式ヘルプで確かめるのが確実です。
無料で確認できる主な項目は次のとおりです。
- 配信中かどうか
- 出稿の開始日
- 広告のクリエイティブ(画像・動画・文面)
- 広告主のページ
【推定消化額・再生数・いいね率】CPAやCVRの代わりにはならない
DProの推定消化額は、公開情報から推定した金額です。再生数といいね率は、広告に対する反応の量を表します。
どれも「どれくらい出稿され、どれくらい見られたか」を示す指標です。成果につながったかどうかを示すCPAやCVRとは、測っているものが違います。再生数が多くても購入や応募につながっていない広告もあるため、成果の数字と混同しないようにします。
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自社CPAの良し悪しは、許容CPAと何で比べればいいのか?

許容CPAと自社の過去推移で判断します。業界平均は商材・単価・計測の定義が違うため、判断の主軸にはしません。
どちらも自社の管理画面と手元の数字だけで、無料で進められます。競合の数値を探すより、自社の基準を先に固めたほうが、良し悪しの判断が早くなります。
1. LTV・採用1人あたりの許容コストから許容CPAを逆算する
許容CPAは「この金額までなら獲得にかけても赤字にならない」という上限です。逆算の手順は次のとおりです。
- 1人(1件)の獲得で得られる利益を決める(ECなら粗利ベースのLTV、人材・教育なら採用1人や受講1人あたりの許容コスト)
- 成果までの途中段階の転換率を確認する(応募から採用、資料請求から受講申込など)
- 利益として残したい割合を差し引き、広告費に回せる上限を出す
次は計算例です。実績ではありません。
- ECの例: 商品単価8,000円、粗利率50%、平均購入回数2.5回なら、粗利ベースのLTVは10,000円です。利益を3割残したい場合、許容CPAは7,000円になります
- 採用の例: 採用1人あたりの許容コストが600,000円、応募から採用までの転換率が2%なら、応募1件あたりの許容CPAは12,000円です
このように、売上や採用の目標から逆に計算すると、CPAの上限が根拠のある数字になります。
2. 過去推移・媒体別・クリエイティブ別に比べる
許容CPAが決まったら、実際のCPAをどう比べるかを決めます。管理画面のデータで、次の3つの軸が確かめられます。
- 過去推移: 直近4週間と、その前の4週間、前年同月を並べる
- 媒体別: 配信媒体や配信面ごとにCPAを出す
- クリエイティブ別: 訴求やフォーマットごとにCPAを出す
なお、業界平均のCPAは商材・単価・計測定義(フォーム送信を成果にするか、受注にするか)が違うため、自社の数字と並べても条件が揃いません。参考程度にとどめ、判断は許容CPAと自社の推移に置くと、ぶれにくくなります。
競合の成果が分からないとき、配信期間と出稿本数から何を読み取れるのか?

成果の代わりに、配信期間・出稿本数・推定コスト・広告文とLPを見ます。ただし、これらは成果の証明にはなりません。
読み取れるのは「競合が何に力を入れているように見えるか」までです。そこから自社の仮説を立てる材料にします。
【配信期間】長く出ている広告は、投資を続けている形跡
長期間配信されている広告は、出稿を止めずに続けている形跡といえます。ただし、長期配信は成果の証明ではありません。効果の検証中であったり、設定が放置されていたりする場合もあるためです。
配信期間を見るときは、次の点を確認します。
- 配信期間が長い広告の訴求・構成・尺を並べて共通点を探す
- 配信開始から数日で終わった広告との違いを見る
- 短期間で推定コストが大きい広告は、集中的な出稿とみられる
どれも「そう見える」という仮説の段階にとどまります。
【出稿本数】増えている訴求と媒体を見る
出稿本数は、競合がどの媒体にどれだけ広告を出しているかを示します。DProに登録されている美容医療の一商材では、媒体別の出稿本数は次のとおりでした。
- Instagram: 3,443本
- TikTok: 1,433本
- Facebook: 1,395本
- YouTube Shorts: 136本
- YouTube: 52本
これは一商材の例であり、業界の平均ではありません。ただ、同じ商材でも媒体によって本数に大きな差があり、力を入れている媒体が見えてきます。
本数が増えている訴求や、新しく登場した訴求は、競合の動きの変化を知る手がかりになります。
【事例】競合の勝ち筋を日々ひろう使い方
成果が見えなくても、競合の動きを毎日ひろって制作に戻す運用はできます。
広告代理店の株式会社ゼネラルリンクは、競合の勝ち筋を毎日ひろい、自社の制作に還元する運用に取り組みました。クリエイティブの再現性を高める狙いの使い方です。事例の詳細は事例を読むからご覧いただけます。
株式会社未来は、上位10社の分析が毎週チャットに自動で届く使い方をしています。調べに行く手間を減らし、競合の動きを定期的に目に入れる運用です。事例は事例を読むにまとまっています。
どちらも、競合の動きを日々の業務に組み込む運用の型として参考になります。
【比較】無料の公開ライブラリと、DPro/MCPの横断検索
競合の出稿を調べる手段は、大きく2つあります。
- 無料の公開ライブラリ
- 見られる範囲: 配信中かどうか、出稿開始日、クリエイティブ
- 複数媒体の横断: 媒体ごとにライブラリを開いて調べる
- 費用: 無料
- DProとMCP連携
- 見られる範囲: 広告文・ナレーション全文・尺・配信期間・遷移先LP・推定コスト・再生数・いいね率
- 複数媒体の横断: 主要15媒体を横断して検索できる
- 更新: 媒体ごとに日次で更新
- LP本文の比較: 遷移先LPのテキストを取得・分析できる(MCPの提供機能)
- 費用: 有料。MCPは有料オプション
DProが対象とする主要15媒体は、YouTube/TikTok/Instagram/Facebook/YouTube Shorts/X/Google/Yahoo/SmartNews/Pinterest/Pangle/LAP/Jimoty/ChatGPTほかです。
無料の公開ライブラリで足りるのは、少数の媒体を週1回のぞく段階までです。複数媒体を毎日追い、広告文やLPまで比べる段階からは、手作業が限界になります。ご自身の運用がどちらの段階かを、媒体数と頻度で判断できます。
競合の配信期間・出稿本数・推定コストを、主要15媒体を横断して1本ずつ確かめたい方は、「7日間無料トライアルを開始する」からお試しください。
CPA悪化の原因は、市場と自社のどちらにあるのか?

まず自社の管理画面で配信面・頻度・クリエイティブの疲れを確認し、そのあとに市場の動きを見ます。自社側を先に確認すると、手を打てる原因から順に潰せます。
原因がすぐに特定できない場合もあります。切り分けの過程で、次に試す打ち手の候補が見えてきます。
1. 自社側を先に確認する(無料): 配信面・頻度・クリエイティブ疲労
管理画面で、次の3点を確認します。
- 配信面: 特定の配信面だけでCPAが悪化していないか
- 頻度: 同じ人に広告が届きすぎていないか(頻度が上がりすぎると、CPAが上がる場合があります)
- クリエイティブ疲労: 配信開始から時間が経った広告で、クリック率やCVRが下がっていないか
CPAは、CPCとCVRに分けて見られます。CPCが上がっているのか、CVRが下がっているのかが分かれば、原因を絞りやすくなります。
2. 市場側を観察する: 競合の出稿本数の増減と新しい訴求の登場
自社側に大きな異常がなければ、市場側の動きを観察します。見るのは、競合の出稿本数が増えていないか、新しい訴求が登場していないかです。
観察の方法は2つあります。
- 媒体の公開ライブラリ(無料): 競合の広告主ページから、配信中の広告や出稿開始日を媒体ごとに確かめる
- DProとMCPの横断検索: 自然言語で、当社DBに集めた他社の公開広告を検索・分析する
MCP(Model Context Protocol)対応により、ClaudeやChatGPTなどのAIから自然言語で検索できます。MCP連携は有料オプションです。検索の対象は当社DBに集めた他社の公開広告であり、お使いの広告アカウントではありません。
3. 因果は断定できない、という限界
競合の出稿が増えた時期とCPA悪化が重なっていても、市場の動きが原因とまでは断定できません。季節要因や自社の配信設定の変化など、ほかの要素も同時に動いているためです。
観察で得られるのは、「この時期に競合の動きが変わっていた」という事実です。その事実を仮説にして、自社の訴求やクリエイティブの見直しで検証していく進め方が現実的です。
今週から始める、許容CPAと競合の出稿の動きを見る4ステップ

今週から始められるように、4つのステップに整理しました。ステップ1〜3は無料の手段で完結します。
ステップ1-2: 許容CPAを決める → 自社の推移を記録する
ステップ1: 許容CPAを決める。 LTVや採用1人あたりの許容コストから、許容CPAを逆算します。売上・採用の目標が決まっていれば、その日のうちに数字を出せます。
ステップ2: 自社の推移を記録する。 週ごとに、CPA・CPC・CVRを同じ表に記録します。媒体別・クリエイティブ別に分けておくと、悪化したときの切り分けが速くなります。
ステップ3-4: 競合の出稿の動きを週次で見る → 訴求を仮説にして検証する
ステップ3: 競合の出稿の動きを週次で見る。 無料の公開ライブラリで、競合の配信中の広告と出稿開始日を週1回確認します。新しい訴求が出ていないか、長く出ている広告の共通点は何かを、メモに残します。
ステップ4: 訴求を仮説にして検証する。 メモした共通点から、「この訴求は自社でも試す価値がありそうだ」という仮説を立てます。広告文やクリエイティブで小さくテストして、自社のCPAで確かめます。
競合の広告の共通点は、自社の仮説づくりのきっかけです。勝ちクリエイティブの答えではないため、検証は自社の数字で行います。
競合のCPAと広告調査のよくある質問

Q1. 自社CPAが高いと判断する基準は?
許容CPAを超えているか、自社の過去推移と比べて悪化しているかで判断します。業界平均との比較は、条件が違うため判断の主軸にはしません。
まず許容CPAを決め、週ごとの推移を記録すると、基準がはっきりします。競合の出稿の動きは、そのうえで市場側の背景を探る材料として確認できます。
Q2. 予算が限られている場合は?
まずは管理画面での推移の記録と、無料の公開ライブラリでの確認から始めます。許容CPAの逆算も、週1回の公開ライブラリの確認も、費用はかかりません。
少数の媒体を週1回見る段階なら、これで十分です。複数媒体を毎日追う段階になったら、DProの7日間無料トライアルで必要性を確かめられます。
Q3. 専門知識がなくても競合広告を調べられる?
MCP対応により、自然言語で当社DBの他社広告を検索できるため、専門的な操作を覚えなくても進められます。
ただし、MCP連携は有料オプションです。料金や使い方は、トライアルの前にご相談いただけます。
競合の出稿の動きを毎日確かめるなら、動画広告分析Pro

ここまでの手順を自社だけで続けるのは、簡単ではありません。手作業では、複数の媒体を毎日追いかけ、広告文やLPまで見比べる時間が取れなくなるからです。
動画広告分析Proは、広告を閲覧するだけのツールにとどまりません。競合の出稿の動きを、媒体を横断して1本ずつ確認し、仮説づくりに使える形で集めるためのツールです。
- 主要15媒体を横断: 媒体ごとに日次で更新されるため、毎日の変化を追えます
- 広告1本ごとの項目: 広告文・ナレーション全文・尺・配信期間・遷移先LP・推定コスト・再生数・いいね率を確認できます
- 遷移先LPのテキスト取得: 競合広告のLPの内容を取得して分析できます(MCPの提供機能)
- MCP連携: ClaudeやChatGPTから自然言語で検索できます(有料オプション)
- 料金: 全媒体見放題で月額6万円(税抜)〜(税込6.6万円〜)の3プランです
まとめ: 競合のCPAが分からなくても、判断の軸は作れる

ここまでの要点を整理します。
- 競合の成果は分からない: CV数・売上・CPA・反応率は、各社の広告アカウントの中にあるデータです
- 自社は許容CPAと推移で判断する: 業界平均より、LTVなどから逆算した許容CPAと自社の過去推移が基準になります
- 競合は出稿の動きを見る: 配信期間・出稿本数・推定コスト・広告文・LPから、仮説を立てる材料が得られます
- CPA悪化は自社側から切り分ける: 配信面・頻度・クリエイティブ疲労を確認してから、市場の動きを観察します
ただ、複数の媒体を毎日追う作業は、手作業ではどうしても限界があります。
もし競合の出稿の動きを日々確かめて、自社の仮説づくりに活かしたいとお考えなら、7日間無料トライアルで主要15媒体の広告を1本ずつ確かめてみてください。全媒体見放題で月額6万円(税抜)〜(税込6.6万円〜)です。プランの違いはお気軽にご相談ください。
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導入事例:株式会社未来|上位10社の分析が毎週チャットに自動で届く使い方 事例を読む
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【2026年最新】動画分析AIの比較と選び方|自社動画と競合動画で使い分ける
動画分析AIは自社動画と競合動画で役割が違います。無料の始め方、5軸の比較、競合広告をMCPで調べる流れや事例を整理。広告運用者や個人事業主向けに解説します。
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